
スマホ1台で守る敷金。入居日の「証拠写真」、撮っていますか?
入居日にやっておけばよかった、と思う前に
新しい部屋に引っ越した日。
荷物の搬入、ライフラインの手続き、近所への挨拶。
やることが多くて、つい後回しにしてしまうことがあります。
それが「部屋の状態を記録しておくこと」です。
退去時に原状回復の費用を請求されて、
「この傷、最初からあったのに……」と思っても、
証拠がなければ話し合いは難しくなります。
国民生活センターには毎年、賃貸の退去費用に関する相談が多く寄せられています。
その多くに共通するのが、「入居時の記録がない」という問題です。

国土交通省のガイドラインが示していること
国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、
入居時と退去時の物件状況を確認・記録することが推奨されています。
ガイドラインの中には「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト(例)」も掲載されており、
チェックリストと写真を組み合わせて記録を残すことの重要性が明記されています。
ポイントは3つです。
- 入居時に、部屋の傷・汚れ・設備の状態を記録する
- できれば貸主側(管理会社や大家さん)と一緒に確認する
- 写真やメモで、客観的な証拠を残す
この「記録」があるかないかで、退去時の話し合いのスムーズさが大きく変わります。
スマホでできる「証拠写真」の撮り方
特別な道具は必要ありません。
今お持ちのスマートフォンだけで十分です。

撮るべき場所
- 壁 ― 各部屋の四面。特に傷・汚れ・画びょう跡
- 床 ― フローリングの傷、クッションフロアの凹み
- 天井 ― シミ、照明器具の状態
- 水回り ― キッチン、浴室、トイレ、洗面台の汚れやカビ
- 設備 ― エアコン、給湯器、インターホン、換気扇の動作状態
- 建具 ― ドア、窓、網戸、ふすまの開閉と傷
- 収納内部 ― クローゼットや押入れの中も忘れずに
- ベランダ ― 排水溝、手すり、床面の状態
撮り方のコツ
- 全体と接写の2枚セットで撮る。「どの部屋のどこか」が分かる全体写真と、傷のアップ写真を組み合わせる
- 日付が記録される設定にしておく。スマホの写真には自動で撮影日時が記録されますが、心配なら当日の新聞やカレンダーと一緒に撮ると確実
- 自然光のある時間帯に撮影する。フラッシュは影が出て実際の状態が分かりにくくなる
- 動画も有効。部屋を一周しながら撮影すると、写真では拾えない細かい部分もカバーできる
撮った写真はどう管理する?
撮影した写真は、退去するまで確実に保管しておく必要があります。
スマホの機種変更で消えてしまった、ということがないよう、バックアップを取っておくと安心です。
- クラウドストレージ(Googleフォト、iCloudなど)に自動バックアップ
- 「入居時記録」などの名前でアルバムを作成しておく
- 管理会社に提出する場合は、メールで送っておくと送信日時も記録として残る
写真の枚数は多くても構いません。
「撮りすぎて困った」という話は聞きませんが、「撮っておけばよかった」という話はよく聞きます。
管理会社との確認が一番の安心材料

写真を撮ることに加えて、もう一つ大切なのが
「管理会社や大家さんと一緒に部屋の状態を確認する」ことです。
国土交通省のガイドラインでも、入居時の確認は貸主側と一緒に行うことが推奨されています。
双方で確認した記録があれば、退去時に「言った・言わない」のトラブルになりにくくなります。
確認のときに意識したいこと:
- 気になる傷や汚れがあれば、その場で伝える
- 「入居時チェックリスト」を渡された場合は、丁寧に記入して提出する
- チェックリストのコピーを手元に残す
- 管理会社が確認に来ない場合でも、写真を撮ってメールで送っておく
貸主・管理会社・借主の三者が同じ情報を共有していることが、
長く安心して暮らすための土台になります。
退去時に慌てないために
退去のとき、原状回復費用の精算でトラブルになるケースの多くは、
「入居時の状態が分からない」ことが原因です。
逆に言えば、入居時にきちんと記録を残しておけば、
退去時の話し合いは事実に基づいた冷静なものになります。
入居日の数十分の手間が、数年後の数万円を守ることにつながります。
チェックリストまとめ
最後に、入居日に確認しておきたい項目をまとめます。
- 各部屋の壁・床・天井を写真に記録した
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ・洗面台)の状態を確認した
- エアコン・給湯器・換気扇の動作を確認した
- ドア・窓・網戸の開閉に問題がないか確認した
- 既にある傷や汚れを接写で記録した
- 収納内部・ベランダも忘れずに確認した
- 写真をクラウドにバックアップした
- 管理会社に報告した(または報告の準備をした)
これから新生活を始める方も、今お住まいの方も、
「記録を残す」という習慣を、ぜひ取り入れてみてください。
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